センメルヴェイス反射（Semmelweis reflex）とは
　過去の通説と矛盾する事実や常識の尺度から外れた現象を権力によって訂正したり妨げたりする行為を指します。
　オーストリアのウィーン総合病院産科に勤務していたハンガリー人医師、センメルヴェイス・イグナーツは、出産した母親が産褥熱という病気にかかって死亡する原因が、分娩を担当する医師の汚れた手が原因であることに気づきました。センメルヴェイスはその予防法としてカルキを使用した手洗いを提唱し、産褥熱による死亡を劇的に減少させることに成功しました。
　しかし、センメルヴェイスの発見は多くの医師たちの反感を買いました。多くの医師たちは長年行ってきた自分たちのやり方が、大勢の母子の死に関与していたというセンメルヴェイスの指摘を批判しました。
　それでもセンメルヴェイスはその発見の理解を広めようと活動しましたが、多くの医師たちからの排斥に会い、やがて精神異常者として精神病院へ隔離されました。その後、精神科病棟から抜け出そうとした際、守衛たちから暴行を受け、そのときのケガがもとでセンメルヴェイスは死亡してしまいました。
　この一連の事象から、権威者などが常識の尺度から外れた事実や過去の通説にそぐわない現象などを権力によって否定したり妨げたりする行為を「センメルヴェイス反射」と呼称されることとなりました。関連項目には確証バイアスや保守主義が含まれています。

　　　　ニーメラー牧師の言葉
　ナチスが共産主義者を連れさったとき、私は声をあげなかった。 私は共産主義者ではなかったから。
　 　彼らが社会民主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。 社会民主主義者ではなかったから。　
　彼らが労働組合員らを連れさったとき、私は声をあげなかった。 労働組合員ではなかったから。　
　彼らが私を連れさったとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった。＜ニーメラー牧師＞。

　第一次世界大戦で敗北したドイツは、領土を失い、莫大な賠償金を請求されて、深刻な経済危機が国民に絶望をもたらした。
　こうした中、民主主義国家が強力な指導者を求めて、ナチスの独裁国家へと変貌していきました。

「自由を求めるなら祖国に誇りを持て」トランプ大統領の国連演説での一説。
「日本人に残された時間は少ない」国際政治アナリストの伊藤貫氏。スタンホード大学の西悦夫教授。近現代史の林千勝先生など
「今声を上げなかったら何時声を上げるのか」ニーメラー牧師の言葉を思い出してください。「今がその時です」
「センメルヴェイス反射」ご存じでしたか？